法然と極楽浄土

法然と極楽浄土
会場:京都国立博物館
会期:2024年10月8日~12月1日

はじめて京都国立博物館に行ってきました。今年は開宗850年にあたる年ということで、国宝6件、重要文化財66件を含む浄土宗ゆかりの名宝の数々が展示されています。自身が浄土宗なので、お勉強もかねての鑑賞です。

法然は幼名を「勢至丸」といいます。9歳の時に亡くなった父の遺言から仏の道へ。比叡山延暦寺で修業を行い、浄土信仰の盛んな黒谷に学問を深め、この時「法然房源空」という名に改めます。43歳の時、中国唐代の高僧・善導大師の著書から、「ただ一心に念仏を称えれば救われ、極楽往生できる」ことを悟り(専従念仏の教え)、京都東山の吉水庵にて教えを広めます。その容易さから多くの支持を得ましたが、新しい教えはいつの世も同じで、立場の異なる教団から批判を浴び、讃岐国(現在の香川県)に流罪になります。ただ、当時の関白であった九条兼実の働きかけなどにより1年後には釈面となり、晩年京都に戻り、80歳で念仏を称えながら往生を迎えます。

法然は、ただ「南無阿弥陀仏」と称えれば貴族や庶民など立場に関係なく、誰もが阿弥陀仏に救われ、極楽浄土に往生できると説き、法然の死後も弟子によってその教えは広がり、現在に至るまで連綿と受け継がれています。法然の教えは仏像崇拝ではなかったことから、阿弥陀如来像は法然が亡くなった後に多く造られます。「南無阿弥陀仏」とは「阿弥陀如来に帰依します」という意味で、浄土宗では六字名号とも言われ、このフレーズを念ずるだけではなく、声に出すこと(称名念仏、口称念仏)が極楽往生を遂げるために必要な行法とされています。この念仏を称える人が現生で臨終の際、西方浄土から、阿弥陀如来が聖衆とともに来迎し、極楽浄土への往生に導いてくれると考えられています。

展示物は巻物や書、屏風や掛け軸などが多く、仏像はそこまで多く展示されていませんでした。巻物でとっても興味深く鑑賞したのは・・それは~~九品(きゅうひん、くほん)が説かれた絵巻物です。仏教(特に浄土教)では、衆生の機根の違いによって、同じ極楽浄土へ往生するにも、9つのパターンがあると『観無量寿経』に説かれているそうで、九品往生ともいわれ、「○品○生」((○は上・中・下)が入ります)と表記されます。そうなのか~~。生前良くない行いをしたら、すぐには極楽浄土に行けないみたい・・・心せねばと・・・ドキドキしながら絵を参考に巻物を見ました。何が書かれているのかは、難しすぎて読めない~~~(;’∀’)(;’∀’)(;’∀’)けど、上の上、とか下の下とかはわかりました。

また今回の展覧会では、自宅で耳にしていた黒谷和讃、吉水講などの用語がなんとなく理解できました。せっかくお寺にお参りするのであれば、少しだけでも用語がわかればありがたいものです。会場の半ばに非常に大きな「仏涅槃群像」が展示され、こちらのみ写真撮影が可能でした。中央に横たわる釈迦如来は3メートルもあるそうです。とりあえずわかる範囲で法然上人について書いてみましたが、間違ってたらごめんなさい。

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