石村嘉成展
会場:兵庫県立美術館 ギャラリー棟3階ギャラリー
会期:2024年10月12日~12月8日
注目される若手アーティストである石村嘉成の展覧会に行ってきました。1994年生まれ。2歳の時に自閉症と診断されます。息子の将来に不安を抱いた母親から受けた厳しい療育と、周囲の理解・支援により徐々に生活に変化が現れます。転機となったのは、彼が商業高校時代に選択した美術でした。これをきっかけに絵を描き始め、恩師とも出会います。2013年には版画のコンクールで入選。人から褒められる体験が自信となっていったと父親は語っておられます。それからわずか10年、制作された絵画・版画作品は700点を超え、見る人を魅了し続けています。
今回は兵庫県立美術館で初お披露目となる作品も含めて200点ほどの作品が展示されています。「作品を見た人が笑顔で元気になって帰って欲しい」と彼は言います。自分で感じたことに向き合い、独特の表現で描かれた数々の作品は、見る者の心を温かく、そして優しく包み込みます。現在は想像の生物に挑戦されています。ただどの生物も目がとても魅力的です。作家の一番のこだわりは「目の迫力」だそうです。力強さや優しさを表現するため、瞳が輝いている姿がかっこいい・・と。
1日12時間程度絵を描き、絵を始めた2014年から10年間毎日欠かさず書いている日々の出来事と生物を描いた日記帳をみるにつけ、才能という一言では片づけられないほどの、努力と根気の持ち主なんだと思いました。一番好きな作品は?と聞かれると、「次に描く絵」と答えられているそうです。会場出口には、真っ白なキャンパスと、そして10年間の日記の一部が展示されています。とても良い展覧会でした。
今回のお気に入りは全長26mの代表作《Animal History》と《おしゃれな〇〇》(○○には描かれた動物の名前が入ります)、そして《今年も良い年でありますように》です。きっと見る人それぞれが違ったお気に入りの作品をあげられるのでは?ぜひ会場へ足をお運びください。
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