長い未来をひきつれて 今井祝雄
会場:芦屋市立美術博物館
会期:2024年9月14日~11月17日
今井祝雄は1946年大阪生まれ。大阪市立工芸高校在学中に第14回具体美術展に初出品。翌年最年少で「具体美術協会」会員となりました。若いころから実験的な作品を発表。1970年以降は写真や映像、音などを用いた作品や身体的表現を通して「空間」「時間」」「現象」「存在」とった観点から作成された様々な作品を発表されています。
今回は現在に発表された作品から順に過去に遡るかたちで44作品が展示されています。会場入ったすぐのホールには、砂嵐のような映像を背景に2階からVHSのビデオテープが滝のように垂れ下がっています《瀑布ービデオの時代》。2階にあがる階段には、1979年から日々のルーティンワークとして撮影されたインスタント写真が年代ごとにアクリルケースに収納され、1段ごとに過去に遡るように展示されています《デイリーポートレート》。今年はまだ終わっていないので、写真の山が低かったです。2階には2つの展示室があり、一方では様々なルールを決めて撮影された写真作品がたくさんあり、とても面白かったです。赤信号の時に撮影される街並みや、道を曲がった時に撮影した写真を集めた作品。一定の時間の光の経過を追った作品など、撮影のルールが面白すぎます。考えてみれば他愛のないルールではありますが、なかなか思いつかないのも事実です。もう1つの展示室には具体で発表した立体作品や映像作品などを見ることができます。1965年に作成された《白のイヴェントⅠ》《白のイヴェントⅡ》のラバーでできた作品は動きがとても生々しく、官能的です。10代で作成された作品とは思えない完成度。動画は禁止なので、動きは滑らかではありませんが、GIFアニメでちょっと再現してみました。びっくり( ゚Д゚)です。
現在も国内外で積極的に作品を発表され、現代アートをけん引されている今井祝雄の過去から現在に至るまでのとても素晴らしい個展でした。今年は作家活動60年の節目に当たる年だそうです。この機会に足を運んでみられてはいかがでしょう?
fllyer
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