兵庫県立美術館コレクション展Ⅲ
阪神・淡路大震災30年「あれから30年ー県美コレクションの半世紀」
会場:兵庫県立美術館
会期:2025年1月7日~2025年4月6日(会期中、一部作品の展示替えあり)
年度で3回のコレクション展が開催される兵庫県立美術館。今回は3回目になります。タイトルは阪神・淡路大震災30年「あれから30年ー県美コレクションの半世紀」です。現在兵庫県立美術館王子分館 原田の森ギャラリーのある場所に兵庫県立美術館はありました。1995年に起こった阪神・淡路大震災で甚大な被害が出たことから、災害に強い美術館をと2002年4月にHAT神戸に新たに美術館を建築し、兵庫県立美術館「芸術の館」として開館しました。震災には強い思い入れがある美術館だと思います。今回のテーマは絶対無二の選択だったように感じます。
会場内は2部形式で、第1部では「あれから30年 阪神・淡路大震災と兵庫県立美術館」というテーマで震災を描いた作品や、復興チャリティーイベントで販売されたポスターなどが展示されています。また特別展として開催中の「1995⇆2025 30年目のわたしたち」に連動するかたちで束芋の映像作品をみることができます。第2部は「兵庫県立美術館の半世紀 ー県美コレクション収集の軌跡ー6つの視点から」と題し、第1章では19世紀か20世紀初頭の油彩画や版画を、第2章では1930年代の洋画を、小磯良平や具体美術協会の生みの親である吉原治良の作品などをみることができます。第3章は元永定正を中心とした具体美術協会の作品を、第4章はサブカルチャーの代表格、マンガとアニメ作品を。第5章は「線のトリセツー日本美術の中の線」と題して、絵画を構成する基本である「線」に光をあて、様々な道具や手法を使って描かれた作品が展示されています。なるほど、これは面白い。最後の第5章では江戸時代中期、狩野派などの従来の漢画に対抗して始まった南画が紹介され、お隣の小磯良平記念室と金山平三記念室では、毎回数作品ずつ展示替えされた作品をみることができます。お二人の作家作品を各々500点以上所蔵されているとのことで、全部みるのも絶対無理かも?
いつも思うんですが、こちらのコレクション展、展示作品数が多くすごいボリュームがあります。またテーマが面白く、入場料金も大人500円とリーズナブル。ほとんどの作品が写真撮影可能というのも魅力的です。余談ですがお隣には無料で楽しめるAndo Galleryがあり、2階テラスには安藤忠雄が「青春のシンボル」としてデザインしたオブジェ「青いりんご」があります。また美術館の南側外にはヤノベケンジの「Sun Sister(サン・シスター)」が立っています。美術館につづくHATなぎさ公園でにも、数々の現代アート作品があります。1日楽しむ事ができる素敵な美術館です。
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コレクション展Ⅲ 阪神・淡路大震災30年「あれから30年ー県美コレクションの半世紀」作品解説
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