高嶋 英男:からっぽに満たされる
会場:ギャラリーノマル Gallery Nomart
会期:2025年1月11日~2025年2月8日
年が明け、ギャラリーノマルも新たな体制で活動開始。ギャラリー入口前には「NEO NOMART 2025」と印刷されたのぼりが立っています。ギャラリーノマル2025年最初の個展は高嶋英男さんの「からっぽに満たされる」です。高嶋英男は1981年生まれ。2012年に多摩美術大学大学院美術研究科工芸専攻を修了した後、2014年に東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻を修了。おもに関東を中心に活動され、東京や大阪、金沢・韓国・パリなど世界各地でも作品が展示されています。今回、大阪では初の個展になります。
彼の作品は昨年のギャラリーノマルの「詩人と美術家とピアニスト」の時に初めて拝見しました。人の頭の部分に顔の部分が丸い穴になった金の鳥が乗っている《若草色の痙攣》という作品で、とてもインパクトのある陶芸作品でした。作家さんとも少しお話をさせていただき、今年こちらのギャラリーで個展が開催されると知り、楽しみに待っていました。
人や動物の顔が壺に置き換わり、あるべき顔の部分にぽっかりと大きな穴が開いているこの作品たちは、彼の代表作「からっぽに満たされる」というシリーズだそうです。今回の個展はこの「からっぽに満たされる」シリーズの陶器作品とドローイング作品が中心です。一度見たら忘れられません。空っぽの顔の後ろの高台裏?にあたる部分には作家の名前から「ひ」というサインが入っています。顔がないことで、自分でイメージを膨らませることができ、自分が置かれている状況によっていろいろな見え方ができるように思います。陶芸作品は座っていたり、立っていたりする大きな作品から片手に乗るような小さな作品までありましたが、一番気に入ったのは、本を読んでいる作品でした。とても可愛いキュートな作品でした。動きのある作品は陶器で作成するのはとても難しいと思うのですがその分、見ているものに訴える力も大きいと感じます。すでにsold out・・わかります、わかります。今回一番大きな作品《広がる・途切れる・繋がる》は、顔と体部分が鱗の様なかたちの薄い陶器が組み合わさってできており人魚みたいに見えます。ツノありますけどね(;’∀’)(;’∀’)(;’∀’) とても繊細な作品です。周りに散らばっている鱗部分の中にも顔のないヤツ!( ´∀` )がいます。お見逃しなく。
またお猿さんを模したテラスシリーズや、今回の作品を元にしたドローイング作品も展示されており、合わせて鑑賞するととても面白いです。
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